ケアレスミスの向き合い方と対策方法
2021.11.07ブログ
皆さん、こんにちは。
学び舎エルムの岩間です。
前期期末テストが終わったかと思ったら、後期中間テストが約1か月後に迫ってまいりましたね。
前回のテストでは、満足のいく結果を出せた子もいれば、満足のいかなかった子もいて、様々でしょう。
定期テストでは、特にケアレスミスに悔しい思いをする子も多いのではないでしょうか。
ケアレスミスをしてしまった場合は勉強の量が足りなかったのか・・・、どうしたらケアレスミスを減らすことができるのか・・・と頭を悩ますことも多いと思います。
今回はそんなケアレスミスについてご紹介しようと思いますが、まずはじめに僕自身の体験談を少しだけさせていただきます。
高校受験を甘く見て失敗した僕は、大学受験に向けて心を入れ替えて勉学に励みました。
自分で言うのもおこがましいですが、かなり真面目に取り組んだと思います。
そして、万全を期して臨んだセンター試験(現 大学入学共通テスト)の数学ⅠAの問題での出来事です。
試験は第1問から第4問の大問4つで構成されており、最後の第4問はサイコロを3つ投げて出た目に関する確率の問題でした。
サイコロ1つの目の数は6通りですから、サイコロ3つを投げた場合の確率の分母は6通り×6通り×6通りとなります。
この日の僕はかなり冷静でした。
「試験の緊張感もあり、焦って6×6×6を何度も計算してしまっては時間のロスになってしまう。問題用紙の端にメモしておいて、それを使って各小問を解いていこう!」
そう思ったのです。
そして、問題用紙の端にメモをしました。
218と。
皆さん、お気づきですか?
6×6×6は216です!
こうして、大問ひとつをほぼすべて落としました・・・汗。
たった一つの簡単なミスで100点中の約20点をなくしてしまいました・・・。
当時の僕はかなりの勉強をして、学力もそれなりに高いものを身につけていたと思います。
それでも、小学3年生で習うかけ算をミスしてしまいました。
ケアレスミスには、学力的な部分や精神的な部分など様々な要因が密接に関わっており、「ズバリこれをすればミスはなくせる!」という対策方法はないのだと思います。
だからと言って、「お手上げ」ということもありません。
前置きが長くなりましたが、
ケアレスミスに悩まされている多くの子どもたちの一助になればと思い、2冊の書籍を参考に向き合い方と対策方法をご紹介いたします。
① 『なぜかミスをしない人の思考法(中尾政之 著)』から向き合い方を学ぶ
まず大前提として、人は必ずミスを繰り返してしまいます。
しかし、自分のミスをきちんと知識化、教訓化することがミスの再発を防ぐだけでなく、逆にミスしないようなスキルやノウハウを積み上げることができるのです。
皆さんの周りに、ミスの少ない人っていませんか?
「○○さんの仕事は丁寧で、いつもミスなく進められているな」と感じるような人が。
そういったミスの少ない人は、意図的に、もしくは無意識のうちにそれらを積み重ねているといえます。
例えば、何かミスがあった際に、「これは運が悪かったから・・・」などとは考えずに、ミスと向き合い、しっかり原因を究明しているのです。
さらに、そういったスキルやノウハウの量が多い人は、自分のミスだけではなく、他人のミスも教訓化している場合もあります。
友達がした失敗を見かけた際に、「自分もああならないように注意しよう。具体的に○○を・・・」と、極端に言えば、他人のミスも自分の責任と捉えるということです。
自分のミスから、スキルやノウハウを積んでいる人は素晴らしいと思います。
けれど、さらに9人の友だちのミスも見つめなおすことで、10倍のスキルやノウハウを積み重ねることができるのです!
失敗は「隠したい」、「誰かに知られたくない」、「なかったことにしたい」そう思いますよね。
ミスをなくすには、まず大前提に「人はミスをする生き物だと認める」ことが重要です。
その上で、ミスに真っ向から取り組んで、解決策をルール化していくのです。
決して「自分はミスしやすいダメな奴だ」なんて考える必要はありません。
② 『ケアレスミスをなくす50の方法(和田秀樹 著)』から具体的な対策方法を学ぶ
こちらは大学受験向けの内容となっておりますが、数学について参考となる対策方法を3つほどご紹介いたします。
1.簡単な式でも「途中式」を省かない!
理数科目では、ケアレスミスのほとんどが計算プロセスで発生します。
特に注意したいのは、「簡単だから暗算でも大丈夫」と油断して、途中式を書かずにミスしてしまうケースです。
問題例を見ていきましょう。
これは小学生から高校生まで共通する対策方法ですね。
そして、エルムでも子どもたちを見ていて、途中式が不十分でミスにつながっていることは、非常に多いと感じております。
簡単な計算ミスから、プラスマイナスの符号ミスなど、様々ですが、頭の中で計算してミスするくらいなら、しっかり書いて正解する!これ鉄則です。
2.グラフを描いてみる!描くときは目盛り線を入れて
グラフや図形はそれらを正確に書くことで、視覚的にミスを発見できる場合があります。
問題例を見ていきましょう。
グラフを描くことで、今回の切片だけでなく、傾きのプラスマイナスといったミスの発見にもつなげることができます。
さらに目盛り線を入れて描くとより正確なグラフが描け、より精度の高いチェックが可能になります。
3.代入による確認を活用する!
方程式は解いたとき、出てきた答えを式に代入して見れば、合っているかどうかが一発でわかります。
それでは問題例を見ていきましょう。
連立方程式のほか、不等式や二次方程式、一次関数など代入によるチェックは応用範囲が広いので、様々な問題でミスの発見につなげることができます。
今回ご紹介した情報は、参考図書のごく限られた一部の内容です。
ご興味を持たれた方は、いろいろと調べてみるともっと面白い情報が得られると思います。
最後になりますが。
6×6×6を218と間違えるというのは、ありえませんよね。
僕はミスと向き合いました。
そして、6という数字は何回かけても一桁目は6ということを発見しました!
(そんな大それたことではないですが、当時の僕には大発見でした笑)
6×6=36
36×6=216
216×6=1296
ミスに気が付くチャンスは絶対にあったはず!と思って、当時は悔しくてたまりませんでした。
ただ、センター試験で大きなミスをした僕はどうしたでしょうか?
「もう二度と簡単なミスをするものか!」と見直し方法を徹底的に考えました。
さらに2次試験で高得点を取って、挽回するために猛勉強を行いました。
そして無事に第一志望の北海道大学に合格することができました。
ミスをしたって大丈夫、挽回できるということを、身をもって知ることができました。
皆さん、ミスをした人は悔しい思いをしたでしょう。
でも、それで終わりですか?
僕はこのミスによって、大きなものを得たと思います。
だって、15年たってもこんなに鮮明に覚えているのですよ。たった一瞬の出来事が。
それだけ本気になっていたということですし、それだけ本気になって打ち込めるものがあったということが僕にとって大きな財産になっていると信じています。
具体的には、そんなミスをしたからこそ、子どもたちのミスの悔しさもよくわかります。
第三者から見たら、「問題文をよく読んでないから・・・」、「注意力不足だ!」なんて言われ・・・。
本人からしたら、「そんな単純なことじゃないんだ!」ということもよくわかります。
だからって、じゃあ「ミスだからしょうがないね」では終われません。
子どもたちが次にミスをしないために具体的な方策は何かを僕も一緒に模索しております。
そして、多くのミスをしてきた僕、ミスの先輩だからこそできるアドバイスもあると思い、そっと手を差し伸べていきます。
ミスをしたって仕方がないと思います。
ミスをしたって人生終わるわけではありません。
ただ、ミスをした時に、どうしますか?
たまたまだからしょうがないって割り切りますか?
いかにミスと向き合っていくかが重要であると思います。
一緒に向き合っていきましょう。
ちなみに、僕は目が悪くコンタクトレンズを使用しているのですが、試験中にコンタクトレンズが外れたときのために、眼鏡も持って行っておりました。
そして会場で眼鏡をなくしました・・・。
受験の魔物は怖いですね~笑