確率の問題から考える、令和の子どもたちのイメージしやすいもの
2025.12.05ブログ

テスト勉強の時間に、高校1年生と一緒に確率の問題を解いていたときのこと。
ふと塾生の手が止まり、なかなか先に進まない様子でした。
取り組んでいた問題は
「トランプを5回引いて、絵札を3回引く確率は?」
といった、反復試行の問題でした。
何となく気になって
「トランプって、絵札が何枚あるか知ってる?」
と聞いてみると、返ってきたのは少し困ったような
「……。」
ああ、そうか。
今の子どもたちは、トランプで遊ぶ機会自体があまりないのかも。
知らないのは不思議なことではなく、むしろ自然なことだなぁと思わされました。
昔はトランプで遊ぶ時間が多くて、
僕自身も中学や高校でも「大富豪」というトランプのゲームをかなりやった記憶があります。
カードの枚数や種類も、多くの子が当たり前に知っていました。
だから問題文を読んだだけで、すぐにイメージできたんですよね。
でも、令和の子どもたちにとって、
身近な「ランダムな出来事」は別のところにあるのかもしれません。
例えばガチャです。
もちろん、
「教科書の内容をガチャに置き換えるべき!」
というつもりはまったくありません。
ただ、日常生活の中でよく見るもの、触れているものの方が、確率のイメージがスッと入りやすいのは確かです。
ガチャの中に、
全部で52種類、そのうち12種類がレア
という設定があったとしたら、
これはまさに”絵札12枚/全体52枚”のトランプと同じ構造。
だから、
「レアを3回当てる確率は?」
と言われた方が、ピンとくる子もいるかもしれません。
数学の本質は何も変わらないのに、題材が変わるだけで理解のしやすさが違ってくる。
そんな現代的な”学びのズレ”を感じた出来事でした。