地球の裏側で左右反転しない? 中3生と探ってみた
2025.11.29ブログ

今日は、中3生が模試の解き直し中に、とても面白いやり取りがありました。
ある一人の塾生が8月に受験した模試の地理の問題を復習していたときのことです。
日本を地球の反対側に移した図として正しいものはどれ?という問題が出てきて、
「先生、上下はひっくり返るのに、なんで左右は反転しないんですか?」
と質問してくれました。
たしかに、直感的には”上下左右ひっくり返る”ように感じますよね。
理科のレンズの問題なんかでは、像って上下左右反対に映ります。
そのイメージが強いからこそ、「あれ?」と感じるわけです。
ここから、ちょっと探求タイムが始まりました。
■地理では”左右反転しない”理由
日本の東端はだいたい東経150度、
反対側は180度から引いて西経30度になります。
同じように、西端はだいたい東経120度、
反対側は180度から引いて西経60度になります。
つまり、日本列島の位置関係は、
① 東端→東経150度→右側、西端→東経120度→左側
から地球の反対側に移しても
② 東端→西経30度→右側、西端→西経60度→左側
になり、左右の順番はそのままなのです。
地球儀の座標(東西南北)は人間の直感とは関係なく、絶対座標として決まっているので、地球の裏側に移動しても”左右反転”という現象は起きません。
■理科のレンズと何が違うの?
このとき塾生と一緒に話していて、すごく面白いことに気づきました。
レンズの像は、「レンズの向こう側」にできる像を、私たちが”像の側から”見ているから反転して見えるんですよね。
↓つまりこんなイメージです

しかし、地理の対蹠点(裏側)って、私たちは地球の”外側”からずっと同じ方向で見ているんです。
言ってみれば、
レンズは「スクリーン側」から見る世界。
地理は「スクリーンの反対側」から見る世界。
↓つまりこんなイメージです

視点が真逆なんですね。
だから、
レンズの問題では像が反転し、
地理では座標が反転するだけで左右の”向き”は変わらない。
この違いが、今回の気づきの核心でした。
■学びって、こういう瞬間が面白い
塾生と一緒にあれこれ考えながら、
最後に「なるほど、そういうことか!」と腑に落ちる感覚。
これって、知識を増やすだけでは出会えない”探求の楽しさ”そのものです。
模試の復習って、どうしても「できなかった問題を直す時間」になりがちで、もちろんこの作業の大切です。
ですが、今回のような”思考が深まる瞬間”もあると、もっともっと力を付けていけるものです。
今日の気付きを通して、学びって「答えを知ること」以上に、「考えることが楽しいんだ」ということを、僕自身改めて感じました。
明日の模試、がんばれ中3生!
応援してます!!